下肢の痛み
LOWER LIMB PAIN
下肢の痛み
変形性膝関節症
症状
加齢などにより関節軟骨がすり減り、膝関節に炎症や水がたまることがあります。
初期には歩き始めや階段の下りで痛みを感じることが多く、進行するとO脚変形や正座困難、膝の伸展制限などが見られます。
原因
加齢や肥満、膝への繰り返しの負担、外傷などが主な原因です。
明確な外傷がなくても、体重や筋力のバランスが影響することがあります。
治療
レントゲンやMRI検査で状態を確認します。
治療は、症状の程度に応じて次のような方法があります。
- 保存療法：物理療法（温熱療法など）、投薬、関節注射、装具療法（サポーター・足底板）
- 手術療法：関節鏡による滑膜切除や人工関節置換術などを、症状や年齢、生活背景を考慮して検討します。
膝関節半月板損傷
症状
初期では痛みのみで気づきにくい場合がありますが、進行すると膝の引っかかり感（コリッという音）や、膝が伸びないなどの症状が出ることがあります。
関節に水や血液がたまることもあります。
原因
スポーツや転倒などによる膝の捻り動作で半月板に亀裂が入ることで発症します。
治療
MRI検査が有効で、損傷の部位や程度を確認します。
軽度の場合は安静・理学療法などの保存療法を行い、症状が持続する場合は関節鏡下での修復や切除などの手術を検討します。
膝前十字靭帯損傷
発症
サッカーやスキーなど、急な方向転換やジャンプの着地などで膝を捻ることが原因です。
受傷後、膝の腫れや強い痛みが出るのが特徴です。
病態
膝関節を安定させる4本の靭帯のうち、前十字靭帯が切れることで膝の不安定感を生じます。
MRI検査により損傷の有無を確認します。
治療
損傷した靭帯は自然には修復されません。
保存療法（リハビリ・装具）での経過観察を行うこともありますが、スポーツ復帰を希望する場合は医師の判断で再建術などの手術を検討します。
オスグッド・シュラッター病
症状
成長期（小・中学生）に多く、膝の皿の下（脛骨粗面）に腫れや痛みが出ます。
運動時に痛み、安静時は軽快することが多いのが特徴です。
原因
大腿の前面の筋肉（大腿四頭筋）が急激な成長と繰り返す運動負荷によって、脛骨付着部を引っ張ることで炎症が生じます。
治療
成長期に一過性でみられる疾患です。
運動制限を行い、ストレッチやアイスマッサージ、理学療法によって症状の軽減を図ります。
過度な運動は控え、安静を保つことが大切です。
担当診療科
整形外科（主担当）／ リハビリテーション科
※症状や疾患の程度により、人工関節センター（人工膝関節置換術など）と連携する場合があります。