腰の痛み

腰の痛み

腰の痛みについて

腰痛は、多くの方が一生のうち一度は経験するといわれる一般的な症状です。
原因は多岐にわたり、椎間板や骨、筋肉、神経などの障害により発生します。
ここでは代表的な疾患についてご紹介します。

腰椎椎間板症

症状

いわゆる腰痛の一つで、身体を動かしたとき、特に前かがみ（前屈）時に痛みが強くなることが多い疾患です。
MRI検査では、正常な椎間板は水分を多く含んで白く写りますが、椎間板症では黒く写ります。ヘルニアのような神経圧迫は認められません。

原因

椎間板は椎体と椎体の間に存在し、クッションとして衝撃吸収の役割を果たしています。
加齢や姿勢・ストレスなどによって椎間板の水分が減少し、弾力性が低下します。
身体のバランス、筋力や柔軟性の低下、猫背や中腰などの姿勢によって負担が増し、変性が進行することがあります。

治療

安静により症状が軽減することがありますが、再発を防ぐためには股関節周囲や体幹筋の柔軟性を高めるリハビリが重要です。
適切な運動療法を継続することで、再発や悪化を予防します。
放置すると腰椎椎間板ヘルニアへ進行することもあるため、早めの受診が望まれます。

腰部脊柱管狭窄症

症状

歩き始めは問題なくても、しばらくするとしびれや痛みが出て歩けなくなることがあります。
腰を曲げて休むと症状が軽くなり、再び歩けるようになるのが特徴で、この状態を「間欠跛行（かんけつはこう）」といいます。
ほかにも腰痛、坐骨神経に沿った痛みや、下肢のしびれ・脱力がみられることがあります。

原因

背骨の中を通る神経の通り道（脊柱管）が、加齢や変形により狭くなり、神経や血管が圧迫されることで発症します。

治療

薬物療法（血管拡張薬・ビタミン剤・消炎鎮痛剤など）、ブロック注射、コルセットによる装具療法、温熱療法や運動療法などの保存的治療を行います。
これらでも症状が改善しない場合は、医師の判断により手術を検討することもあります。

腰椎分離症

症状

スポーツを活発に行う10代前半の青少年に多く、運動時に腰痛が出ることがあります。
背中を反らす動作で痛みが強くなるのが特徴です。

原因

腰椎の後方部分に繰り返し力がかかることで、骨の一部にひびが入ることがあります。
ジャンプの着地動作や体幹の反復運動が要因となる場合があります。

治療

発症初期では、原因となるスポーツを休止し、コルセットなどで腰を安静に保つことで、骨のひびが修復されることが期待できます。
時間が経過した場合は、骨癒合が難しくなるため、痛みのコントロールを中心とした治療（運動療法・ストレッチなど）を行います。
いずれの場合も、早期の受診・対応が重要です。

担当診療科

整形外科（主担当）／ リハビリテーション科
※症状に応じてリウマチ科と連携し、体幹機能回復・再発予防のためのリハビリを行います。